ペンたこ

ペンたこ

*この物語はフィクションです

「かちかちかち…」

日々の生活にストレスを感じると

指が勝手に動いていることがある。

ボールペンは、ペン先を出すときと、戻すときで音が違うから満たされない。

その点シャープペンシルは、芯が入っていようがなかろうが

押した数だけ同じ音を聞くことができる。

かつて、高校受験、大学受験のとき

試験中に聞こえてくる「カチッ」という芯を押し出す一瞬の音でさえ

不快に思っていた音が、

社会人になり、10年、

こんなにも心地よく聞こえるように変化するとは

想像もしていなかった未来だ。

学生時代は、ペンたこができるほどに勉強をしろと耳にタコができるほど言われていた

そんな時代にできなかったペンたこが、私の親指にできている。

文字を書くときにできるペンたことは違う場所にできてしまったタコ。

妻には、指圧の学校に通っていることにしてある。

しかし、右手にしかできていないので、いずればれるかもしれない。

幸い、先日妻の腰をマッサージした時に、気持ちがいいと言われたので、今のところばれてはいないようだ。

ある日の休日。妻が友人とランチに出かけたので、シャープペンシルの芯1本を

どれくらいのタイムで押し出せるのか計測してみることにした。

次回チャレンジすることもあるかもしれないので、同じ条件になるように

いくつかルールを作ることにした。

1、椅子に座った状態ですこと。

2、ひじを付いてはいけない。

3、自然に文字を書くことを想定して、押し出すときの親指の位置は、肩より低くなければならない

4、競技の世界には体重別に階級があるように、芯の太さは、0.5mmとする。

左手にストップウォッチを持ち、チャレンジすることにした。

「カチカチカチ…」

記録…

1.72秒

早いのか遅いのかわからない。

何せ、基準がないのだから。

ランチから帰ってきた妻に、チャレンジさせてみた。

何のためにやるのか意味がわからないという、妻を説得し

同じ条件で、タイムを計ってみた。

記録…

5秒

私は、早い。明らかに早い。

芯押し出し競技がオリンピックになったら

間違いなく世界チャンピオンだ。

そして、いつか

私はギネスブックにも載る男になるんだ。

スポンサーリンク
336×280
336×280

フォローする

スポンサーリンク
336×280